TISI株式会社は、公益財団法人九州先端科学技術研究所(ISIT)と共同で、広域データ連携基盤の共同利用に関する実証実験を実施しました。
4自治体(1県3市)が参加し、自治体ごとに異なるデータ形式を生成AIで共通化する仕組みなどを検証しました。
施設予約情報の統合や混雑状況の可視化、人口データの横断検索を通じ、自治体間のデータ連携を確認しました。
成果は、デジタル庁の「エリアデータ連携基盤の共同利用ガイドブック第3.0版」に掲載されています。
記事の概要
本実証は、2025年10月から2026年3月まで実施されました。
TISIが自治体ニーズの調査・分析とサービス設計を担当し、ISITが共有型データ連携基盤「BODIK CityOS」とアプリケーションを構築しました。
実証①では、既存システムを改修せず、4自治体の213施設に関する45万件以上の予約データを統合しました。
データ収集から変換、AI処理、基盤登録までを自動化し、毎朝約24分で処理する運用を確立しました。
実証②では、市立図書館の自習室と駐車場をAIカメラで分析し、混雑状況をWebアプリで公開しました。
実証③では、生成AIとMCP(Model Context Protocol)を用いて、自治体ごとのデータ構造から共通形式と変換辞書を自動生成しました。
生成AIの利用を事前準備に限定し、検索時は変換辞書を使うことで、推論コストや回答の不安定さを抑える構成としました。
TISIは今後、防災、観光、交通、公共施設運営などへの展開と、共同利用モデルによる低コスト導入を進めます。
記事のポイント
- 予約データを一元化: 4自治体、213施設、30日先までの45万件以上を統合し、約24分で更新する運用を実現しました。
- AIカメラで混雑把握: 自習室の人数と駐車台数を推定し、個人を特定しない数値データで混雑状況を公開しました。
- 変換辞書を自動生成: 生成AIとMCPで自治体ごとのデータ構造を分析し、共通形式への変換辞書を作成しました。
このニュースがもたらす影響
- 導入を検討する自治体: 既存システムを改修せず複数自治体のデータを統合できるため、単独導入を前提にせず、近隣自治体との共同利用や費用分担を含めて調達計画を見直す必要が生じそうです。
- データ基盤提供者: 生成AIを検索処理の都度使うのではなく、事前生成した変換辞書を活用する構成は、回答の安定性や推論コストを重視した自治体向けサービス設計の参考になると考えられます。
- 自治体の施設運営者: 施設予約や混雑状況を自治体横断で扱えるようになると、住民向け案内だけでなく、利用傾向に基づく開館時間や設備運用の見直しまで検討しやすくなりそうです。
このニュースの背景
地方自治体のオープンデータへの取り組み率は90%を超えています。
一方、自治体向け調査では、導入・維持コストを課題とする回答が77.6%、ユースケース不足と専門人材不足を課題とする回答がそれぞれ64.2%でした。
自治体ごとにデータ形式が異なるため、複数団体のデータを活用するには、変換や突合作業が必要でした。
TISIとISITは、複数自治体による基盤の共同利用で運用コストを抑え、データ形式の標準化と住民向けサービスの向上につなげることを目指しました。
関連するニュース
- TISIは金融向けに脆弱性情報をAIで分析する基盤を9月30日に提供します。
- IIJは、Microsoft Azure上に企業ごとの生成AI基盤を構築し、Dify活用やAIアプリ開発、運用を支援します。
- ADKマーケティング・ソリューションズとTISIが、顧客データを統合するAI活用モデルの構築に着手します。
詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
TISI株式会社のプレスリリース(2026年9月17日 11時10分)TISI、生成AIを活用した複数自治体による広域デ…
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001975.000011650.html