CAC identity、日本語の感情音声コーパスを研究者向けに無償公開

CAC identityは9月4日、日本語の感情音声コーパス「JAESC-Empath」を研究者向けに無償公開しました。
日本語を母語とする演者40名による3,079発話を収録し、7種類の感情ラベルを付与しています。
音声感情認識の研究に利用でき、研究目的に限って申請・審査制で提供します。
同社は9月8日、日本音響学会の第156回研究発表会で本コーパスの分析結果も発表しました。

記事の概要

公開したコーパスの名称は「日本語演技感情音声コーパス“Empath”」で、英語名は「Japanese Acted Emotional Speech Corpus – Empath」です。
収録する感情カテゴリは、激しい怒り、静かな怒り、激しい喜び、静かな喜び、激しい悲しみ、静かな悲しみ、平常の7種類です。
音声は男女各20名の演者40名が収録し、プロとアマチュアの演者を含む20代から60代のデータです。
ファイルは44.1kHz、16bit PCM、モノラルのWAVE形式で、感情ラベルとセリフの書き起こしを付けています。
利用者は公開ページの申請フォームから氏名、所属、研究計画を提出し、所属機関のメールアドレスで申し込む必要があります。
音声の加工や再アノテーションは可能ですが、第三者への再配布や、音声合成・声の再現を目的とした学習には利用できません。
CAC identityは9月8日、日本音響学会第156回研究発表会で「CARFAC特徴量を用いた怒りと喜びの識別」を発表しました。
同社は音声感情解析AI「Empath」を、コンタクトセンター向けAI応対品質評価サービス「mimity」にも活用しています。

記事のポイント

  1. 7種類の感情を収録: 激しい感情と静かな感情を分け、怒り・喜び・悲しみに平常を加えた7カテゴリで収録しています。
  2. 研究用途に限定して提供: 研究目的に限り無償で利用でき、申請と審査が必要です。再配布や音声合成用途の利用は禁止されています。
  3. mimityの研究基盤に活用: 公開コーパスを含む研究成果は、声の抑揚や音量、ピッチを評価するmimityの開発に活用されています。

このニュースがもたらす影響

  • 導入を検討する企業: 研究用データとして検証環境を整えやすくなりますが、商用利用や声の再現を目的とする学習には使えないため、導入前に別データの確保と利用条件の確認が必要になりそうです。
  • 同業のサービス提供者: 強い感情だけでなく抑制された怒りや喜びを評価する視点が、応対品質評価の差別化要素になり得ます。競合各社には、声の印象をどう評価へ組み込むかが問われそうです。
  • 音声研究者: 感情の強度を分けた日本語データで手法を比較しやすくなります。一方、演技音声を基盤とするため、実際の通話や会話にも結果が適用できるかを追加検証する必要があります。

このニュースの背景

日本語の感情音声データセットは、英語圏に比べて公開されたものが限られており、研究の再現性や比較検証の制約になっていました。
実際のコンタクトセンターでは強い感情表出より抑制された表現が多く、その識別が実用上の課題とされています。
CAC identityは音声感情解析AIの研究開発で蓄積したデータの一部を研究コミュニティに還元し、応対品質評価サービスの開発にもつなげています。

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音声感情解析AI「Empath」、研究開発で構築した日本語の感情音声コーパスを研究者向けに無償公開
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000166096.html

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