デザミス、牛の行動データ基盤をAIとGXの経営基盤へ拡張

デザミスは、新たな経営方針として「Physical AI U-motion Platform」と「畜産GX」を両軸に事業を展開します。
全国約30万頭超の牛から得る行動データと現場知見をAIで活用し、畜産経営の意思決定を支援します。
家畜排せつ物処理装置「OHD」では、減容率約95%と肥料資源の抽出を実証しています。
将来は、人・AI・ロボット・設備が連携する牧場運営の基盤を目指します。

記事の概要

デザミスは、牛の行動モニタリングシステム「U-motion」を中心に、創業から10年間にわたり畜産現場のデータを蓄積してきました。
今後は牛の行動データに加え、生産者の対応履歴や現場知見をAIに学習させ、異常通知から判断・行動を支える基盤へ進化させます。
「Physical AI U-motion Platform」は、ロボットそのものではなく、人やロボットが牧場で適切に判断するための基盤を目指します。
2026年7月には、分娩日などを起点に作業予定を自動生成する「作業プログラム機能」と「カレンダー機能」を実装しました。
AI業務支援機能「U-コンシェルジュ」では、質問への回答やAI-OCRによる個体識別番号の読み取りを支援します。
さらに、対応履歴や請求書などを統合し、収支見通しや牛舎の稼働、市場データを踏まえた経営判断を支援する「U-motion Business」の開発を進めます。
畜産GXでは、OHDを中核に家畜排せつ物の減容、肥料資源化、カーボンクレジットなどの価値創出を目指します。
同社によると、実証結果をもとに複数の牧場などからOHD導入に向けた具体的な受注が進行しています。

記事のポイント

  1. 30万頭のデータ基盤: 全国約30万頭超の牛の行動データと対応履歴をAIで活用し、現場の判断や将来のロボット運用を支える基盤を目指します。
  2. 排せつ物を資源化: OHDの実証で減容率約95%とリン・カリウムの抽出に成功し、処理負担を肥料資源や環境価値へ転換します。
  3. 経営判断まで支援: U-motion Businessで牛舎稼働、数カ月から1年先の収支、市場データを踏まえた施策の影響を可視化します。

このニュースがもたらす影響

  • 導入検討牧場: 導入判断では、異常検知の精度だけでなく、作業の抜け漏れ防止や将来の収支改善まで含めた効果を評価する必要がありそうです。
  • 畜産IT企業: 競争軸がデータの可視化から現場の判断・行動支援へ移る可能性があります。対応履歴や経営情報まで扱える設計が求められそうです。
  • 畜産関連企業: 排せつ物処理をコストではなく資源・環境価値として扱う余地が広がり、設備やデータを組み合わせた事業連携を検討しやすくなりそうです。

このニュースの背景

畜産現場では、人手不足や飼料価格の高騰、持続可能な生産体制への要求が重なっています。
IoTで飼養データを取得できても、データをもとに次の行動や経営判断を決める作業は、生産者の経験に依存しているとされています。
一方、2026年度から排出量取引制度が本格稼働し、農業分野ではJ-クレジットの活用拡大が進められています。
こうした環境を受け、現場データの判断活用と、家畜排せつ物の資源化を同時に進める方針が示されています。

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