千葉大学と東京理科大学の研究チームは、高周波電源回路をAIで自動設計する手法を開発しました。
電気・磁気・熱の特性を一体的に扱い、回路定数や部品の候補を含めて最適化します。
1kW級・1MHzのLLC共振型コンバータで、最高96.1%の電力変換効率を達成しました。
小型化を重視した設計では、磁性部品の体積を約41%削減できることを確認しました。
記事の概要
研究チームは、EVやデータセンターなどで使われる高周波電源回路の自動設計手法を開発しました。
本手法は、電気回路だけでなく、半導体の電気・熱特性やコイル・トランスの磁気特性も扱います。
電気・磁気・熱を統合するマルチフィジックス設計と、多目的最適化を組み合わせています。
「高効率」や「高効率と小型化の両立」など、目的に応じた設計候補をAIと機械学習で探索します。
回路定数に加えて、半導体、磁性コア、巻線、放熱部品の候補も探索変数にできます。
LLC共振型コンバータで検証した結果、1kW級・1MHzの試作回路で最高96.1%の電力変換効率を達成しました。
小型化を重視した設計では、高い効率を保ちながら磁性部品の体積を約41%削減できました。
研究成果は2026年8月10日に、学術誌「IEEE Transactions on Power Electronics」で早期公開されました。
記事のポイント
- 物理特性を統合: 電気・磁気・熱の相互作用を一つの数値モデルで扱い、電源回路の統合設計を可能にします。
- 部品選定も探索: 回路定数だけでなく、半導体や磁性コア、巻線、放熱部品の候補も含めて最適化します。
- 効率と小型化を両立: 1kW級・1MHzの試作回路で効率96.1%を達成し、磁性部品の体積を約41%削減しました。
このニュースがもたらす影響
- 電源機器メーカー: 回路定数の調整に加えて部品候補まで探索できるため、設計初期から効率と小型化の優先順位を比較し、試作前の選択肢を絞り込む進め方が取りやすくなると考えられます。
- 設計支援企業: 設計ノウハウを個人の経験だけに依存しにくくなる可能性があり、設計支援サービスには物理モデルや実測データを組み込んだ提案力が求められそうです。
- 電源利用企業: 高効率と小型化のどちらを優先するかで設計結果が変わるため、充電器やサーバー電源の調達時に、用途別の性能目標を定義する必要が高まりそうです。
このニュースの背景
EV、太陽光発電、サーバーなどでは、電圧を変換して電力を届ける電源回路が使われています。
機器の小型化や省エネルギー化に伴い、電源回路にも小型化と高効率の両立が求められています。
高周波化は小型化に有効である一方、半導体やコイルの損失が増えるため、電気・磁気・熱の相互作用を踏まえた設計が必要になっています。
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詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
国立大学法人千葉大学のプレスリリース(2026年8月27日 10時00分)「職人技」だった電源回路設計をAIで自動化~高…
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001226.000015177.html