F5調査、製造・金融でAI導入とセキュリティに隔たり

F5は、2026年4月に実施した日本の製造業と金融業界のAI導入調査を発表しました。
両業界ではAI導入が進む一方、成熟したAIセキュリティ体制を整備した企業は製造業で10%、金融業で12%にとどまりました。
従業員による未承認のAI利用も製造業の43%、金融業の50%で確認されています。
調査では、導入の差を生む最大の要因は規制ではなく、経営陣のAIに対する姿勢だと指摘しています。

記事の概要

調査は、TwimbitがF5の委託を受け、2026年4月に日本国内の製造業と金融業のテクノロジー・セキュリティ部門のシニアエグゼクティブを対象に実施しました。
2025年のAIガバナンス改革によって導入が加速したと答えた割合は、製造業で48%、金融業で50%でした。
製造業では、AI活用を推進する企業の正式導入率が75%で、慎重な企業の59%を上回りました。
金融業では、AI活用を推進する企業の正式導入率が94%で、慎重な企業の22%を大きく上回りました。
生成AIを全社展開している企業は、製造業で3%、金融業で10%にとどまりました。
シャドウAI対策として、DLPやプロンプトのログ記録、アクセス制限を採用している企業は、製造業で6%、金融業で10%でした。
データ漏えいの阻止と機密性の確保を最大の懸念とした回答者は、両業界とも60%でした。
製造業では知的財産、金融業では顧客データの保護が、AI活用を進めるうえでの主要な課題になっています。

記事のポイント

  1. 導入を左右する経営姿勢: 金融業では、AI推進企業の正式導入率が94%に達し、慎重な企業の22%を大きく上回っています。
  2. シャドウAIが共通課題: 未承認の一般向けAIツール利用は製造業で43%、金融業で50%に達しますが、技術対策は1割未満です。
  3. 業界ごとに異なるリスク: 製造業はCADなどの知的財産、金融業は顧客データを重視し、必要な保護策も異なっています。

このニュースがもたらす影響

  • AI導入を検討する企業: 導入可否を議論するだけでなく、承認済みツール、投入可能なデータの境界、監査方法、専用予算を先に整えることが、全社展開の条件になりそうです。
  • AIセキュリティ提供者: 未承認利用への対策が技術面で限られるなか、既存のWAFやAPI基盤に接続し、ログ記録やDLP、アクセス制御まで一体化する提案が選ばれる可能性があります。
  • 製造・金融の経営層: 同じAIセキュリティでも、製造業は設計・技術情報、金融業は顧客データを起点に優先順位を決める必要があり、業務ごとの導入計画が求められそうです。

このニュースの背景

2025年のAIガバナンス改革を受け、製造業と金融業ではAI導入が鈍化するのではなく、加速したと回答されています。
一方で、生成AIの全社展開や成熟したAIセキュリティ体制は少数にとどまり、導入の広がりに対して防御体制が追い付いていません。
従業員による未承認の一般向けAIツール利用も両業界で確認されており、ポリシーや研修だけでは管理しにくい状況が浮かんでいます。
製造業では知的財産、金融業では顧客データが主要な懸念となっており、業界ごとに守るべき情報を踏まえた対策が必要になっています。

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