株式会社プレシジョンは、医療特化のエージェントLLM「SIP-jmed-LLM-Precision」の評価結果を発表しました。
約3万例の症例を整理した「疾患因果ダイアグラム」を、国産LLM「LLM-jp-4」に追加学習しました。
学習前後の比較で、ハルシネーションが疑われる病名の割合が15.5%から3.0%に下がりました。
研究成果を活用した医療用日本語入力「Precision IME-med」は、2026年10月から販売します。
記事の概要
本研究は、内閣府SIP第3期「統合型ヘルスケアシステムの構築」のテーマB-2およびB-6で実施しました。
SIP-jmed-LLM-Precisionは、国立情報学研究所を中心に開発する国産LLM「LLM-jp」を基盤にしています。
プレシジョンは、約3万例の症例について患者背景、症状、検査所見から診断に至る関係を整理しました。
この「疾患因果ダイアグラム」を使い、症例の所見から検索語を用意して関連する症例と疾患を検索します。
医師が作成し、学習に使っていない100問で比較したところ、病名998件のうち疑いのある病名は155件から30件に減りました。
疾患因果ダイアグラムの検索結果で正解の疾患を上位10件に含めた割合も、27%から65%に上がりました。
同モデルは研究開発段階で、医療機器としての承認を受けておらず、診断ではなく医師が参照する情報を示します。
商用化するPrecision IME-medは、辞書にある変換候補の順位を決める仕組みで、電子カルテの改修なしに利用できます。
記事のポイント
- 約3万例を追加学習: 約3万例の症例から作った疾患因果ダイアグラムを、LLM-jp-4に追加学習しました。
- 幻覚病名を15.5%から削減: 未学習の症例問題100問で、疑いのある病名の割合が15.5%から3.0%に下がりました。
- 医療用入力を10月販売: 研究成果を学習したPrecision IME-medを、2026年10月から医療向けに販売します。
このニュースがもたらす影響
- 導入検討医療機関: 研究モデルは診断用途ではなく承認も未取得のため、導入時は鑑別診断の参照に限定し、医師の確認工程と責任分担を設計する必要がありそうです。
- 医療AI開発企業: 汎用LLMの生成精度だけでなく、専門知識を構造化して検索・順位付けに結び付ける手法が、医療AIの評価軸や差別化要素になる可能性があります。
- 医療現場全体: 電子カルテを改修せず使える入力製品は導入の障壁を下げる一方、候補の順位付けと診断推論を分けて運用する考え方が求められそうです。
このニュースの背景
汎用LLMを鑑別診断に使うと、誤った表記や実在しない病名が混ざり、医師が候補を個別に確認する負担が残る状況です。
本研究では、約3万例の症例から患者背景・症状・検査所見と診断の関係を整理した疾患因果ダイアグラムを、国産LLMに追加学習しています。
内閣府SIPの研究では社会実装も求められており、研究段階の医療特化LLMに加えて、電子カルテの改修なしで使える日本語入力への展開が進められています。
詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
株式会社プレシジョンのプレスリリース(2026年10月26日 16時06分)【研究経過報告】症例報告を学んだLLM-jp…
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000080023.html