高知工科大学の研究グループは、物体の実際の大きさを脳活動から解読しました。
50名の健常成人の全脳fMRIデータを、3次元深層ニューラルネットワークで解析しました。
サイズ情報は視覚野だけでなく、頭頂葉や前頭葉などの全脳ネットワークに保持されていました。
記事の概要
高知工科大学の郎 翠さんと竹田 真己教授らの研究グループが発表しました。
研究では、パプリカやホイッスル、帽子、カリフラワーなど手で持てる日用品を対象にしました。
参加者50名は、物体のサイズを判断せず、自然物か人工物かなどを分類しました。
研究グループは、全脳fMRIデータに3D DNNを適用し、サイズ情報の解読を試みました。
未知のテストデータに対する平均解読精度は65.75%で、最高モデルは69.51%でした。
Guided Grad-CAMによる可視化では、後頭側頭皮質、頭頂葉、前頭葉、皮質下構造の関与が示されました。
サイズ情報は視覚認識と同時に、自動的かつ自発的に処理されている可能性があります。
研究成果は2026年10月7日、国際学術誌「Scientific Reports」オンライン版に掲載されました。
記事のポイント
- 50名の脳活動を解析: 手持ちサイズの日用品を見た50名の全脳fMRIデータに、3D DNNを適用して実世界サイズを解読しました。
- 全脳ネットワークを特定: Guided Grad-CAMにより、視覚野に加えて頭頂葉、前頭葉、島皮質や海馬などの関与を示しました。
- ロボット応用にも期待: 物体のサイズや把握方法を認識するロボティクスAIや、AIWSの診断補助技術への応用が期待されます。
このニュースがもたらす影響
- ロボット開発企業: 物体の見かけの大きさだけでなく、実世界サイズと把握方法を扱う視点が得られ、カメラ画像からの物体認識や把持制御の設計を見直す材料になりそうです。
- 神経疾患研究者: サイズ情報に関わる頭頂葉や後頭・頭頂接合部などが示されたことで、物体の大きさが歪んで見えるAIWSの病態解明や脳画像マーカー研究につながる可能性があります。
- 脳画像研究者: 50名の全脳fMRIに3D DNNとGuided Grad-CAMを組み合わせ、非線形な脳活動情報の解読と判断根拠の可視化を両立する分析手法として参考になりそうです。
このニュースの背景
従来の研究では、ビルとスプーンのようにサイズと用途が大きく異なる物体を比較することが多く、脳が大きさそのものに反応したのかを分けにくい課題がありました。
今回の研究は、手で持てる日用品に対象を絞り、低次視覚特徴を揃えたうえで、50名の全脳fMRIデータを解析しています。
参加者はサイズを判断せず、自然物か人工物かなどを分類していましたが、脳活動から実世界サイズを解読できました。
さらに、サイズ情報が視覚野だけでなく、頭頂葉や前頭葉、皮質下構造を含むネットワークに保持されている可能性が示されました。
詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
高知県公立大学法人 高知工科大学のプレスリリース(2026年10月21日 11時00分)脳は「実際の大きさ」をどう識別す…
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000092723.html