経済産業省は、フィジカルAIの開発と多用途ロボットの現場導入を一体で進める政策を示しました。
ロボットの導入で実世界のデータを集め、モデル改善につなげる循環を目指します。
2027年度には導入補助や実証、安全性評価、人材育成の拠点整備を進めます。
記事の概要
経済産業省商務情報政策局の渡辺琢也AI産業戦略課長が、2026年9月2日に政策の方向性を説明しました。
背景には、LLMの学習に使えるインターネット上のテキストデータを伸ばしにくくなったことがあります。
フィジカルAIの開発には、ロボットが実際に動く現場からデータを集める必要があります。
経産省が支援するAIロボット協会(AIRoA)は、2025年度に約8万時間分の動作データを収集し、5000時間分を公開しました。
今後はロボットを現場に導入し、取得データでモデルを改善して再導入する循環を構築します。
2027年度にはユーザー企業向け導入補助を実施し、実証や安全性評価、人材育成を担う中核拠点(CoE)を整備します。
フィジカルAIの基盤として、Noetraと産業技術総合研究所のコンソーシアムが、5年間でマルチモーダル基盤モデルを開発します。
記事のポイント
- 現場データを循環活用: ロボットを導入して実世界の動作データを集め、モデル改善後に再導入する循環を目指します。
- 2027年度に導入支援: ユーザー企業への導入補助に加え、実証、安全性評価、人材育成を担うCoEを整備します。
- 国産基盤モデルを開発: 画像や音声、動画、空間認識、物理データを統合し、毎年オープンモデルとして公開します。
このニュースがもたらす影響
- 導入検討企業: 2027年度の補助やCoEを前提に、導入費だけでなく実証・安全性評価・運用人材まで含む計画を早期に作り、取得データを改善に戻せる業務を選ぶ必要がありそうです。
- ロボット開発企業: 現場導入がモデル改善の前提になるため、導入後の動作データを収集・共有し、更新したロボットを再投入する仕組みまで設計することが求められそうです。
- 研究機関・育成側: 毎年オープンモデルを公開する計画は、国内で基盤を共同利用できる可能性を広げます。評価手法と安全性検証を実装に結び付ける準備が必要になりそうです。
このニュースの背景
LLMの学習に使えるインターネット上のテキストデータを伸ばしにくくなり、実世界の動作データが重要になっています。
AIロボット協会は2025年度に約8万時間分を収集し、5000時間分を公開しましたが、現場データは収集に時間とコストがかかります。
こうした制約から、研究開発と社会実装を別々に進めるのではなく、導入現場のデータでモデルを改善する循環が政策の軸になっています。
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