日立製作所は、内閣府のSIP第3期課題で、再生プラスチックの品質評価・劣化診断AIの研究開発に取り組みます。
製造ラインのインラインセンサーデータや材料分析データを活用し、品質ばらつきの予測と劣化状態の把握をめざします。
再生材の品質情報に基づく選別を可能にし、自動車や家電など業種をまたぐ再生材利用を支援します。
記事の概要
本研究開発は、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の一環です。
日立製作所は、2026年度から2027年度にかけて品質評価AIの開発と精度検証を進めます。
品質評価AIは、リペレット製造工程の製造条件やインラインセンサーデータから、ロット内の品質や特性のばらつきを予測します。
劣化診断AIは、材料分析データや特性評価データを用いて、再生材の劣化状態や品質変動の要因を解析します。
解析結果を推論AIへフィードバックし、品質予測モデルを継続的に高度化する計画です。
東北大学と物質・材料研究機構は、放射光施設などを活用して劣化・品質変動メカニズムの解明を担います。
日立製作所と物質・材料研究機構は、トレーサー技術やデジタル解析基盤、フィジカルAIを活用した品質評価・劣化診断技術を開発します。
まずは工場内で発生する製造工程由来の再生材(PIR)を対象とし、将来的には使用済みプラスチック由来の再生材(PCR)への適用拡大も検討します。
記事のポイント
- 品質ばらつきをAI予測: 製造条件やインラインセンサーデータを活用し、抜き取り検査では把握しにくいロット内の品質ばらつきを評価します。
- 劣化状態を継続診断: 材料分析データを解析し、再生材の劣化状態や品質変動要因を診断して、品質予測モデルの精度向上につなげます。
- 業種横断の利用を支援: 品質情報に基づく選別を可能にし、自動車や家電など異なる分野由来の再生材を用途に応じて活用します。
このニュースがもたらす影響
- 再生材の利用企業: 自動車や家電の調達部門は、再生材を一律に扱うのではなく、品質情報に応じて用途を振り分ける運用を検討しやすくなります。
- 再生材事業者: ロット全体のばらつきや劣化要因を示せることが、取引先への説明や用途別選別の前提になり、製造データの蓄積が求められそうです。
- AI・計測企業: 製造ラインの計測から材料分析、AIによる診断までをつなぐ構成のため、再生材以外の材料開発や量産立ち上げへの応用を見据えた連携余地が生まれると考えられます。
このニュースの背景
気候変動への対応や資源制約を背景に、製品や資源を循環的に利用するサーキュラーエコノミーへの移行が進んでいます。
欧州では、2036年までに新車への再生プラスチック25%以上の利用を義務化するELV規則があり、再生材の需要拡大が見込まれます。
一方、再生プラスチックは回収元や使用履歴、製造工程によって品質が異なり、抜き取り検査ではロット全体のばらつきを把握しにくい課題があります。
そのため、再生材の品質を効率的かつ客観的に評価し、異なる業種由来の材料を用途に応じて活用する技術が求められています。
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詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
株式会社 日立製作所のプレスリリース(2026年9月24日 15時00分)内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(S…
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000629.000067590.html