シンガポール発のFUJI EXCHANGEは、P2P分散型ネットワーク技術を開発しています。
旧世代GPUや遊休PCなどを組み合わせ、生成AI向けの計算基盤を安価に構築する狙いです。
データを分散・暗号化し、サイバー攻撃時の処理継続やデータ保護にも対応します。
シンガポール国立大学や日本大学との実証実験を経て、企業向けPoCを進めています。
記事の概要
FUJI EXCHANGEは、金融機関や商社で新規事業を担当していた村松洋平氏と、シンガポール国立大学で分散ネットワークを研究していた川内見作氏が2023年に設立しました。
同社は、AI分析モデルの評価エンジンを開発する過程で、高い計算処理能力を確保する難しさに直面しました。
そこで、Kubernetesなど外部ソフトウェアに依存しないP2P分散型ネットワークを、3年超かけてゼロから開発しました。
シンガポール国立大学と日本大学によるPoCでは、国際ネットワーク上での稼働を確認しています。
GPU不足への対策として、遊休PCやサーバー、1世代前のハードウェアを組み合わせて計算基盤を構築します。
村松氏によると、中古市場で入手しやすい「A100」などの旧世代GPUを2~3基束ね、「H100」と同等の処理性能を発揮できるといいます。
セキュリティ面では、処理データを分散・暗号化して各ノードに割り当て、異常を検知したノードを遮断・隔離します。
同社は一般企業や複数のSIerとのPoCを進め、2026年8月には日本法人を設立する予定です。
記事のポイント
- 旧世代GPUを再活用: A100などの旧世代GPUや遊休PC、サーバーを束ね、調達が難しいH100に相当する計算性能を目指します。
- 攻撃時も処理を継続: データを分散・暗号化し、異常を検知したノードを隔離して、別のノードへタスクを引き継ぎます。
- 官公庁・金融を想定: ゼロトラストや地理的に分散したノードによるフェイルオーバーを、官公庁や金融機関向けに提案します。
このニュースがもたらす影響
- 導入検討企業: 導入を検討する企業は、最新GPUの確保だけでなく、遊休PCや旧世代GPUを含めた計算資産の構成を比較し、費用・性能・運用負荷をPoCで見極める必要が出てきそうです。
- データセンター事業者: データセンター事業者は、既存GPUや減価償却後のサーバーを計算資源として再評価し、設備の利用期間と収益性を伸ばせるか、処理性能や拡張性との両面で検討することになりそうです。
- 官公庁・金融SIer: 官公庁・金融向けのSIerは、データ分散・暗号化とノード隔離を組み込んだ構成を、機密性だけでなく障害復旧や監査対応まで含めて評価することが求められそうです。
このニュースの背景
生成AIの普及により、GPUの価格高騰や調達難が計算基盤の構築を難しくしています。
同時にサイバー攻撃の高度化を受け、処理を止めずにデータを保護する仕組みも求められています。
FUJI EXCHANGEは、こうした課題に対して旧世代GPUや遊休PCを活用するP2P分散型ネットワークを開発し、大学や企業、SIerとのPoCを進めています。
詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
生成AIの爆発的な普及がGPUの価格高騰と調達の難しさを招いた。サイバー攻撃の高度化が急速に進み、強固なセキュリティ対策…
https://japan.zdnet.com/article/35251871/