芝浦工業大学の尾崎克久教授らが開発した計算手法が、NVIDIAのGPU開発基盤に採用されました。
「Ozaki Scheme II」は、2026年9月公開の「CUDA Toolkit 13.4」に搭載されています。
AI向けGPUの低精度演算器を組み合わせ、科学シミュレーションに必要な倍精度計算を高速化します。
記事の概要
採用された手法は、2025年に発表された「Ozaki Scheme II」です。
2025年には、原理の異なる「Ozaki Scheme I」もCUDAに搭載されています。
Ozaki Scheme IIは、誤差なし変換ではなく整数の剰余を使う方式です。
NVIDIA Ampere世代以降のGPU上で、ソフトウェアとして動作します。
B200 GPUでは、実数の倍精度行列積で最大175 TFLOPSを達成します。
複素数の行列積では最大295 TFLOPSで、Rubinでは最大301 TFLOPSとされています。
理化学研究所は、次世代スーパーコンピュータ「富岳NEXT」での活用を示しています。
記事のポイント
- 低精度演算を活用: AI向けGPUで使われる低精度の演算器を組み合わせ、倍精度相当の計算結果を導きます。
- CUDAが自動選択: CUDA 13.4では、ワークロードに応じてOzaki Scheme IとIIを自動で選択します。
- 広がる科学計算: 気象予測や耐震設計、新材料開発など、高精度計算を要する用途への展開が見込まれます。
このニュースがもたらす影響
- 導入を検討する企業: 既存のNVIDIA GPUを科学計算に転用できるため、専用の倍精度ハードウェアを追加調達する前に、CUDA 13.4で自社の行列計算を検証する判断が必要になりそうです。
- HPC基盤の提供者: 低精度演算器をソフトウェアで高精度計算に振り向けられるため、今後はGPUの理論性能だけでなく、ワークロード別の実効性能や電力効率を示すことが求められそうです。
- 科学計算の利用者: 気象や耐震、新材料などの計算では、AI向けGPUを高精度シミュレーションにも使える選択肢が増えます。研究機関や企業は対象処理の適合性を見極める段階に入ります。
このニュースの背景
近年のGPUは、AIの学習・推論に使う低精度計算の処理能力を優先して向上しています。
一方、気象予測や耐震設計、新材料開発などの科学シミュレーションでは、精度を担保する倍精度計算が必要です。
Ozaki Schemeは低精度演算を数学的に組み合わせ、倍精度相当の計算結果を導く手法で、2025年にはOzaki Scheme IがCUDAに採用されています。
CUDA Toolkit 13.4ではScheme IとIIがワークロードに応じて自動選択され、理化学研究所は次世代スーパーコンピュータ「富岳NEXT」での活用を示しています。
詳しい記事の内容はこちらから(引用元)
芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田 純)システム理工学部 尾崎克久教授(数値解析研究室)らが考案した計算手法「Oza…
https://www.atpress.ne.jp/news/635646