ヘッドウォータースは、レガシーシステム移行向け基盤「SyncLect Agentic Migration Harness」の提供を始めました。
自律型AIが既存システムの解析から移行先設計、コード・テスト生成までを連続して実行します。
Azure OpenAI ServiceとGitHubを活用し、工程ごとの品質ゲートと専門人材による承認にも対応します。
記事の概要
同サービスは、グループ会社のDATA IMPACTが実案件で培った移行工程、品質管理、専門知見を体系化した基盤です。
DATA IMPACT独自の「Code Migrator」が、コードベースの構造や依存関係を解析します。
その結果をもとに、移行先の技術構成やプロジェクト構成の設計案を作成し、コードとテストを生成します。
Azure OpenAI Serviceを解析や設計案作成、コード・テスト生成に活用し、GitHubでソースコードや変更履歴、レビュー結果を管理します。
顧客固有の業務要件や重要な品質判断には、DATA IMPACTの専門人材がHITLとして関与します。
顧客企業のAzure環境やローカル環境で実行でき、機密性の高いコード資産を顧客管理下に保持する構成にも対応します。
DATA IMPACTの特定プロジェクトでは、適用前後で高複雑度画面のバグ数が5.56件から1.00件に減少し、コードマージ平均期間が2.7日から0.2日に短縮しました。
同社は今後、生成・整理した設計情報やコード、レビュー・テスト結果をAI駆動開発プロセス「SAIDDar」へ接続する方針です。
記事のポイント
- 工程横断で移行を実行します: 構造・依存関係の解析から移行先設計、コード・テスト生成、レビュー・検証までを連続して実行します。
- 品質ゲートと人の承認を組み込みます: 工程ごとの入力情報や成果物、品質基準を管理し、専門人材が顧客要件や重要な品質判断を確認します。
- 特定案件で改善を確認しました: 高複雑度画面のバグ数は約82%減少し、コードマージ平均期間は約93%短縮したとしています。
このニュースがもたらす影響
- 導入を検討する企業: 移行対象のコード資産だけでなく、工程ごとの品質基準や承認者、実行環境まで事前に整理する必要が高まります。自社のAzure・ローカル環境と既存の開発運用にどう組み込むかが選定の論点になりそうです。
- 同業のサービス提供者: 競争軸はコード変換の精度だけでなく、解析からテストまでの連続性、品質ゲート、人による判断の組み込みへ広がる可能性があります。特定案件での効果を再現可能な指標で示すことも求められそうです。
- IT業界全体: レガシー移行では、AIに作業を任せる範囲と人が承認する範囲を工程として設計する考え方が重視されそうです。移行後の開発・保守まで知見を接続できれば、案件単位の自動化を継続的な開発基盤へ広げる余地があります。
このニュースの背景
生成AIはこれまで、設計書作成やコード変換、レビュー、テスト生成など、マイグレーションの個別工程で活用されてきました。
一方、大規模な移行では工程間の情報分断やレビュー・テストの滞留、後工程での手戻りが、期間とコストを押し上げる要因になっています。
自律型AIが成果物を高速に生成しても、判断基準や品質確認が統制されなければ、不整合が後工程へ引き継がれる可能性があります。
こうした課題に対し、実案件で蓄積した移行工程や品質基準を、工程横断のワークフローとして扱う方向へ取り組みが進んでいます。
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000340.000018045.html